霜月下旬、急速に冷え込んできました。といっても平年並みの気候になっただけなのかもしれません。いよいよ紅葉も本格化してきたようです。武蔵野のシンボルけやき も葉の色を変え、落葉が始まりました。なんといっても鮮やかなのは もみじ。武蔵野の雑木林は多種の広葉樹に恵まれ、木によって早生晩生の違いがあるのか、今の時季は緑・黄・赤と入り混じり、シックな味わいです。初秋からいきなり晩秋に移ったような今秋の気候、いつもに比べて少々地味に感じる今年の紅葉ながら、まだ当分の間楽しめそうな気配です。強い季節風の到来にはまだ間がありそうですから。
日高市の小学校2年生は「総合的な学習」の授業で学んでおり、備前屋へ社会科見学に訪れる市内の児童は、ほぼ例外なく高林謙三翁の偉大な業績を知っています。ところが一般には知名度が決して高くないようです。日高ロータリークラブでの卓話がきっかけとなり、『高林謙三翁を顕彰する会』が結成されました。平成19年9月のことです。以来5年間の活動を通じ、顕彰の方法として市内外に広く寄付を募り、高さ2.1mの銅像を建立する事と決定。いよいよ今年10月より募金活動を開始しました。平成25年4月に除幕式が予定されています。
また建立に先立ち、趣意にご賛同いただいた高林式製茶機械製造元『松下工場』佐野社長より、ほぼ百年前に製造された高林式粗揉機が『顕彰する会』に寄贈されました。知る限りでは松下工場と静岡県立茶業試験場の2箇所にのみ展示されているだけの、大変貴重なオリジナルです。
昨年の東日本大震災以降、輸入超過に陥った日本経済。原発事故の影響をまともに受けた日本茶業界。転換期の今、謙三翁の大きな志と強固な意思を学び直し、茶業の世界に新たな風を感じ取る機会としたいものです。