5月度.png東京スカイツリーが今日で開業一周年だそうな。それより個人的には、前日の金環日食から一年過ぎたことに感慨がわきます。昨年は新茶期の天象にもかかわらず、自宅が皆既帯にかかっていた幸運を思う存分味わえましたから。不安だった空模様も晴天に。早朝のイベントゆえ、仕事にさわる心配も、暗い観測地に移動する必要がなかったのもラッキーでした。
昨年の今頃は新茶の最盛期だったけれど、se.jpg今年はすでに終盤を迎えています。先週後半にやっとお湿りがあり、「雨後」の茶で数量が伸びてくるかなと期待していたのに・・・。今年度は並物の生産量が少ないかもしれません。
 撮影:平成24年5月21日 6:35am〜8:35am
 


 

例年になく早く始まった手摘み。五月中旬には、無事自園の手摘みが終了。今年は四月中の低温の影響か、生産量は少な目。それでも延べ8日間で、約120kgの手摘み荒茶を供給する事ができました。強い風と日差しの中、そして雷雨に追われながらも摘みきってくれた摘み娘さん達に感謝・感謝です。自園手摘み茶は萎凋香が命。今月前半は雨も無く、気温にも陽光にも恵まれ、萎凋工程には最適な気候でした。

 

すでに 新茶「清水昔」にかなり使ってしまったものの、上物の合組が一段落したところで 「荒茶合」を実施。一口に自園手摘み茶といっても、製造日毎に味も香りも芽筋も そして萎凋香も異なります。 aragou.jpg

 

 

せっかく真空処理・窒素充填された茶袋を開封し、荒茶を外気にさらすのだから、良好な気象条件下で行いたいもの。手摘み物のような上物クラスの「荒茶合」は今年度最初で最後だろうし・・・。幸い 入梅までにはまだ間があり、aragou1.jpg湿気が少なく、快適な日和が続いています。 

そして約60kgの「荒茶合」が完成。小柄な外観は摘採前の気候の影響でしょうか。黒い軸は長いものの 細く、白いくきが少なく感じられます。高目の蒸し度のためか、水色には濃度があり、やわらかな味が好ましく思われます。何より 極く良好な萎凋香が伝わってきます。これならば 合組時、他の原材料を押し上げてくれるものと期待できそう。再び真空・窒素充填して、早速 冷蔵庫に移管します。


 

次に登場願うのは暑い時季か、それとも涼しくなってからなのか。それまで ゆっくり熟成してほしい。そして、再会時にはさらに艶やかな香気を身にまとっていてほしいものです。


 

 

 

                  狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎