新たな年。早朝の気温こそ氷点下なものの、風はさほどでもなく、穏やかなお正月。お隣の飯能市にある信用金庫の本社ビルは10階建て。初日の出に合わせ、その屋上を開放するというので、出かけてまいりました。入館開始の午前6時30分を少し過ぎた頃到着。屋上にはすでに数十人が東側の柵に陣取っていました。午前7時頃、東南東の方角に朱色の明かりがもれ始め、辺りが歓声に包まれます。屋上は100人以上であふれていました。見るみる間に姿を現す太陽。上空は快晴なものの、大気中の塵が多いのでしょうか。オレンジ色ではなく、赤い日の出でした。手前の高台は加治丘陵。その先では『根通り』の茶畑が初日を浴びている事でしょう。実はいままで初日の出を拝んだことがなく、貴重な体験でした。
この三が日 とにかく良く茶を淹れ、良く飲みました。家族と、お年始のお客様と、あるいは一人で。年末の需要期に再製・合組を行った茶は多種に及び、試飲以外にはじっくりと味わえなかったので、良い機会でした。たっぷりした横手の急須でゆったりと淹れ、のんびりと味わう。試飲時と違い、茶の特徴だけでなく、茶の醸し出す雰囲気まで味わえる気がします。正月を満喫です。
「…この霞野というお茶になり、手順どおりに淹れて、口に含んだとき、あまりの美味しさに驚きました。お茶は好きだけど、今までは好み、そうじゃない程度のこだわりでした。でも、本当にいいものはそれどころでなく、すごいのだと知るきっかけをくれたのは、このお茶でした。」… 楽天市場でいただいたレビューの抜粋です。なんて嬉しい内容でしょう。絶賛ではないですか。何よりありがたいのが、その表現するところです。
『霞野(かすみの)』は萎凋香を香味の中心に据えた煎茶。制作担当者の私やスタッフは萎凋香のもたらす味や香気を熟知しているけれども、萎凋香をご存じない方は、どのような印象を受けるのかを知ることができました。萎凋香を気に入っていただけたからこその感想だと思われます。供給側の私達にとって、 なかなか得がたい 気づきの機会。端的で、この上ない素晴らしい表現です。
現在 狭山以上に萎凋香の煎茶を計画的に、かつ質・量共に安定して産み出している茶産地があるでしょうか。近い将来、狭山茶最高の魅力としてアピ-ルできる日が来るかもしれません。このレビューを読み、そんな自信が湧いてきました。