1月度.png先月、黄葉を散らし咲き始めた庭の蝋梅がほのかな香りを放っていました。年が明け、雑煮を食べながら庭を見ていたら、robai3.jpg朝日を浴びてレモンイエローの光を撒き散らしているのが目に留まります。 内側のシワに沿って、まるでワックスを塗ったかのように白く、にぶい光を放つ花弁。よほどに うすい花びらは陽光をよく透し、まぶしいほどに輝きます。そして日毎にその香りを増し、花に顔を寄せると、鮮やかな香気が鼻腔をくすぐります。robai6.jpgそんなにも芳しいとヒヨドリに食べられてしまうのに・・・ と心配になるほど。庭の片隅で、けなげにも存在を主張する蝋梅は目にも 鼻にも、新春の訪れを感じさせます。

 

 

一昨年スリランカ茶園視察で知り合った、茶文化研究家 湯浅薫氏から とんでもない茶を贈られました。昨秋「中国国際茶文化研究会理事会」に氏が出席した際、Facebook に投稿していた龍井茶。蓋碗で抽出中の美しい茶葉と、とてつもなく透明度の高い水色。あまりの素晴らしい様子にコメントしたら、「手元にあるから・・・」ということで、わざわざ一煎分を送付いただきました。お話によると習近平国家主席が視察試飲し、ronjing1.jpgその後3月6日頃 国の機関「茶葉研究所」監修で製茶されたという、いわくつきの茶。『龍冠龍井』という製品名だそうです。 

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「東方美人」に憧れ、半醗酵茶の世界に足を踏み入れたものの 台湾茶と異なり、いまだかって琴線に触れる中国茶にめぐり会うことがありませんでした。中国茶の喫茶室に足を運んだり、茶イベントや海外資本の店舗で購入してみたり・・・ 唯一の例外は米国開催“World Tea East”のワークショップで呈茶された龍井茶のみ・・・ 国内で一級品中国茶葉を入手するのは、さほどに難しい事なのか?  と半ばあきらめていたので、いやがうえにも期待が盛り上がります。うやうやしく十煎目まで頂戴しました。ronjing.jpg

 

 

茶葉に厚みがあり 大柄で、この上なく複雑な色合いの外観。極めて透明度の高い水色。素晴らしく均一な色彩の茶殻。それらの記録は写真に、そしてあくまでも爽やかで 雑味の全くない、絶品の香味は私の記憶に、鮮やかに残っています。中国茶生産の主力は緑茶であり、緑茶の王者が龍井茶というのを得心した、未体験の素晴らしい茶でした。 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎