8月度.pngまたまた紅茶の求評会を実施しました。メンバーは前回同様山口さんと関さん。今回の趣旨は次の通りです。
   ①他産地の国産紅茶の飲み比べ
   ②製造時期別ダージリンの飲み比べ 
   ③各種ハーブとの組み合わせ  
 

メインイベントは「狭山かおり茜(あかね)」を製茶した“プロフェッサー”こと増岡伸一氏が春芽の手摘み茶でつくった紅茶の試飲です。手揉み茶用に手摘みした生葉にたっぷりと萎凋を施してから紅茶にしたもので、「狭山ファーストフラッシュ増岡印」と呼ぶべきものでしょうか。とてつもない芳香を放っており、あまりにもったいなくて一煎分保管しておいた、文字通りの「とっておき」です。比較対象は2009年産ダージリンのセカンドフラッシュとオータムナル(秋摘み)。提供者の山口さんによると「マスカテルフレーバーのある高品質の品」との事。              
求評会2-1.jpg
見本盆には紅茶、ティーポットに茶釜の湯を柄杓で注ぐ ・・・ なんともシュールな(?)求評会風景

味の濃さという点ではダージリンのセカンドフラッシュが最右翼。香気については増岡印の評価が一番でした。ただ好き嫌いで評価が分かれるかも。増岡印のさわやかな萎凋香はわかりやすくて、とても好ましく感じられますが、香味の質があっさり・さっぱり過ぎると指摘する向きがあるかもしれません。
両者に比べオータムナルは味も香気も平板な印象でした。                


狭山紅茶の外観の色が黒褐色であることと、さっぱり系の味は品種に由来するものなのか?
狭山のセカンドフラッシュ=夏芽は梅雨の真っ最中なので萎凋には不向き。香気を追及するにはファーストフラッシュ=春芽で取り組むべきなのか?
何にせよ、こんなに芳しい萎凋香が味わえるなら狭山茶の1バリエーションとして、真剣に狭山紅茶ファーストフラッシュについて考えるべきかも。
ファーストフラッシュ.jpg
 「狭山ファーストフラッシュ増岡印」外観 茜 同様黒褐色の茶葉
    手摘みの春芽なので煎茶同様黒い棒が目立つ大柄な形状
     (デジカメでも香気まで写せないのが残念!)


・・・という結論と課題を持ちまして、日印紅茶萎凋香対決備前屋場所は幕を閉じました。
          
             


                   狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎