「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が繁る・・・」唱歌『茶つみ』の通り、八十八夜の本日 平成26年度の初摘みを行いました。昨夕のにわか雨がうそのように 朝から晴れ上がった好天の一日。日中には25℃を越え、文字通り初夏の気候に。摘み娘達が14名勢揃い。風もおだやな そよ風。絶好の萎凋日和。いよいよ備前屋の新茶がスタートです。
正直、まだ新芽の状態は若すぎるかなぁ? とも思うけれども、三・四月の天候を考慮すれば 八十八夜に開始できるのを 素直に悦ぶべきでしょうか。一昨日の降雨と昨今の気温上昇により、新芽の生育も加速度がついてきたようです。明らかに先月末の状況とは違って見えます。本店の社員からは矢のような催促が続いているし・・・。一度逃した適期摘採は取り戻せないし・・・。
ここ、備前屋の『白髭野木園』は主要道路からも民家からも距離があるので、車も人も通らない静かな茶園。作業に集中できる上、雑木林の端にあるため、鳥の声が実ににぎやか。特に鶯は二羽以上いるようで、鳴き交わしているのが聴き取れます。天然のB.G.M.が流れる絶好の茶摘み環境が整っています。
備前屋の自園狭山茶には、萎凋香の至上命令が与えられているものの、萎凋場である店の中庭は現在工事中。より良好な環境を整えるための工事が先月末の雨により遅れていました。やむなく雑木林にゴザを持ち込み、「木漏れ日萎凋」を実施。広葉樹の下では 葉や花が茶葉に落ちるので、後で手間がかかると危惧したものの、適度な日光萎凋と木々を渡る涼やかな風が良好な萎凋工程をつくり出したようです。茶葉達は実に麗しい芳香を放っていました。午後のお茶前に38kgの茶摘みが完了。夕刻 製茶工場に搬入。無事初日を終えました。
今頃は製茶が終了しているでしょうか。どんな荒茶が生まれているのか ・・・ 明朝が楽しみです。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎