5月度.png新茶二日目、昨日に引き続き白髭野木園の手摘みを実施。気候の影響というものは大したもので、急速に新芽が伸びているのを感じます。前日に比較して茶葉の成長が明確。お湿り後に訪れた、連日の夏日が効を奏しているのでしょう。shinme11.jpg備前屋の先代が「茶は夜に成長する」と表現していたのを実感します。今月になってから 冬用の布団が不要になりましたから。

 

 

早朝、初摘みの荒茶が入荷。蒸し度は昨年と同様でお願いしてありました。いつもどおりの緊張感と共に開封。shinme8.jpg第一印象は色沢にあめ色がかっている事。そして思いのほか、白いくきが目立つ事。確かに、茶園での茶葉は昨年の方が ツヤがあった事を思い出します。白いくきは摘採時期の遅れを示しています。先月末から急速に芽筋が進んだのでしょう。毎度のことながら、製茶作業は小型機での丁寧な仕事を感じます。精揉もじっくりと時間をかけてくれたものと想像されます。

 

 

味は濃度充分。いかにも野木園の手摘み茶らしい、どっしりとした 濃厚な味。課題の香気・・・「木漏れ日萎凋」は正解だったようです。shinme9.jpg軸や葉の先端が赤くなった部分があるものの、萎凋香は十二分。良好な蒸し度と相まって、抽出液が通過する時も喉で萎凋香を感じ取ることができます。狭山の手摘み茶はこうあるべきという、見本のような荒茶。そして昨年と一番異なるのが水色。黒味の少ない、清らかな水。今年の新茶は昨年よりも抽出液の色が良好だと期待したい。そうであってほしい。早速再製。火入れは昨年より三割り増しの時間を費やしました。

 

 

午後には平成26年度産『富貴昔』が店頭を飾り、新年度がスタートを切りました。

 

 

            狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎