空には春色が感じられる頃、日中の陽射しは明らかに冬のそれとは違います。にもかかわらず、早朝の最低気温は氷点下の日も。そのせいでしょうか、さすがに見頃はすぎたものの、庭の蝋梅がまだ咲いています。今年はヒヨドリに悪戯されないからかもしれません。屋外で咲いている状態での花びらは、少し赤みがかっている気がします。また特有の蝋細工のような色つやも弱いようです。紫外線の影響なのか、それとも太陽光の色のせいなのか。それでも寒い時季に咲く
この小さな花は、その鮮やかな香りとともに、華やかで好ましく感じられます。
先日拝借したドラム式火入機。早速色々試してみました。その中で、昨年再製した狭山純在来種の火入れは興味深いものでした。昨夏炭火で火入れを施した荒茶から、煎茶に不向きな大柄な部分と白い棒を選別。もともと4時間もの熱処理が施してあるので、本来ならば再度の火入れは不要かなぁ?
それでも敢えてやってみることに試験の価値があり、超小型火入機の得意とするところ。そもそも在来種のように生産量の少ないものを様々にテストできる機会は貴重です。
ということで3種類の火入れ方法を試してみました。
No.1 熱量と回転数を調整しながら 茶温を3段階で上昇させる火入れ。処理時間:60分
No.2 熱量 一定、 回転数を調整しながら 茶温を下降させる火入れ。処理時間:45分
No.3 熱量 一定、 回転数を調整しながら 茶温を上昇させる火入れ。処理時間:15分+15分
No.1は火が入りすぎて、苦味が発生。NO.2は良好なものの、若干火入れ香がくどい。No.3は高温・短時間火入れをめざし、当初15分間実施したものの、香気が優れずさらに15分を追加。
それぞれの結果には、一長一短があるものの、良くも悪しくもその火入れ香に個性的なものを感ぜずにおれません。火が弱ければ、在来種に特有な「におい」がとれない。強すぎれば火に負けてしまう。良く言えば野趣にあふれた、悪く言えば融通の利かない香味とでも表現できるでしょうか。
狭山純在来種は外観だけでなく、味や香りにも「繊維質」を感じさせられます。