先週より続く炎暑は一向におとろえる様子がなく、すでに十日間連続の猛暑日です。蝉時雨の中 お盆様を送った今日も、朝から陽射しは肌に噛み付かんばかり。お寺の井戸で手桶に水を汲みます。久し振りに触れる天然水は冷たく、ほてった体に心地良い。残念ながら飲用ではないので、手を浸し、しばし涼をとりました。八月になってからは、夕立が一回あっただけで、店前を流れる小畦川も水流が細ってきました。明らかに浅くなり、流れの両側では川底の石が露出しています。浄化がすすんでいるのでしょう、最近小魚が増えてきました。水量が減り、水深が10cm未満のため、銀色の腹をきらめかせながら、活発に泳ぎ回っている姿が観察できます。先日、川端にアオサギがたたずんでいました。小さな川には似合わない、堂々たる風格。降り立っている姿をみるのは始めてです。翼は灰色だけれども、「つや」が感じられ「あお」と表現されるのが納得できる、チャーミングな色合いです。丸見え状態の魚を狙っていたのでしょうか。
微醗酵茶『琥白』用に、釜炒り茶の再製を行いました。5月16日製『ふくみどり』の荒茶二種類。茶葉を提供してくれた生産家・茶園が異なるので、別々に仕上げます。茶畑の所在地や生産家の栽培管理、あるいは摘採の具合で 同じ品種にもかかわらず、生葉の様子がこんなにも違うのかと感じた記憶がよみがえります。この日の天候は上々。萎凋に最適の一日でした。はさみ刈り茶葉の釜炒り開始から2日目ゆえ、萎凋・製茶 両工程ともに、試行錯誤を繰り返していました。この後に、揺青と揉捻工程を見直した事を思い出します。
久し振りに釜炒り製の荒茶と対面。春芽である事、摘採がていねいな事、殺青を高温で行った事etc. により、茶葉の色は緑色基調。茶の持つさわやかさが伝わってくるようで、好ましく感じられます。芯の白毛がつぶれ気味なのが少々残念。適切な摘採方法により、葉切れの部分は目立たず、のびやかな印象の外観。あめ色をした棒は取り除きたいので、目の大きな篩で廻してから、軸の部分を切断・除去。さらに目の細かい篩で葉切れした部分を篩い分けし、仕上げが完了。
この日の荒茶は揺青不足で萎凋香が大人し目。香気に奥行きを感じなかったので、試飲しながら火入れ時間を延長し、結局前回の50%増しの時間を費やしました。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎