5月度.png日本の正史『続日本紀』に記載されている高麗郡の設置が霊亀二年(西暦716年)五月との事で、先日 高麗郡建郡1,300年記念式典が執り行われました。私も市の公職を委嘱されており、1300.jpg招待いただきました。建郡1,300年祭については しばらく前から、13003.jpg民間・自治体が連携し、情報を発信しながら準備を進めて来ました。当日は快晴の夏日。お祝いには最高の天候です。旧高麗郡に所属していた、近隣市町の首長をはじめ、韓国からは京畿道知事、姉妹都市の烏山市長と市議団、九里市議団と内外から多くの来賓が出席。韓国でも関心が高いようです。セレモニー後には雅楽が奏じられ、さらに市内の小中学生675人が雅楽の楽器伴奏により『越天楽今様』という歌を披露し、最後は『ふるさ13005.jpgと』の合唱で、華やかにエンディングを迎えました。渡来人の文化と精神がこの地で伝えられ、それを受け入れてきた和の心が私達の先祖にあったのでしょう。だからこそ、日本の正史に刻まれ、今に伝えられているのだと思います。そして それを未来に引き継ぐ機会、それがこの式典の意義だと感じました。

 

 

蒸し製の煎茶は日本で開発された技術。私にとって釜炒り製法は台湾より渡来した製茶技術。四月中旬に訪れた台湾では、一昨年以来となる製茶の機会に恵まれ、半醗酵茶製法について多くを学ぶことができました。fukumidori3.jpg単に情報として得るのとは異なり、実際に生茶葉と製茶機械に触れながらの作業は、新たな気付きの機会を与えてくれます。萎凋のこと、揺青のこと、殺青のこと etc.

 

 

今年の一番茶は台湾で学習した事柄を復習し、確認する機会でもありました。最高の天候だった今年の新茶は『ふくみどり』の作柄も絶好調。生産家に都合してもらった手摘みの原葉。幸い午前中に手配が整い、fukumidori5.jpg正午をはさんで、思う存分 こころ行くまで萎凋処理を施します。この日の処理量は3 釜分。

長生製茶廠の林文経先生からは醗酵工程の見直しと殺青機の温度設定について示唆をいただいたので、早速実行したところ、製茶した茶葉は褐変が皆無。下葉の色も良好で、白毛が目立ち、野木園手摘茶葉の美しさが いかんなく伝わる外観です。また各ロット毎に異なる処理を施しました。

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そしてこのロットからは、今まで経験したことのない香気を感じました。それはカリフォルニアオレンジのように鮮やかな柑橘系のアロマ・・・ どの工程に起因するものなのでしょうか。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎