先週末八潮市よりお越しになったお客様から草加煎餅を贈っていただきました。草加煎餅は埼玉県を代表する特産品で、煎餅の代名詞と呼べるほど全国に名の通った銘菓。そのお客様がおっしゃるには「現在、生地まで自家製の煎餅屋さんは草加市内でもごく数が少なく、そこの煎餅はちょっと硬くて高価だけど、無性に食べたくなるときがあるんです」。子供達にもせがまれるので、つい買ってしまうとの事。手焼きの草加煎餅はよくあるけど、原材料の米にまでこだわった本物ならばぜひ食べてみたい。狭山茶との相性も確かめたいからと店名を教えていただいたところ、翌日わざわざお届け下さいました。
小宮せんべい本舗の「石がさね」という品で、袋に店のこだわりと草加煎餅の由来が記載されています。江戸時代、草加宿のおせん婆さんが残った団子を薄く切って、乾燥して焼いてつくった保存食がその起こりだそうです。
恐縮しながらも、早速いただきました。厚みがあり歯応えは十二分ながら、硬いものが苦手な母も全く問題ないとの事。醤油味が控えめで、確かに団子の風味を感じます。言い換えれば米の味わいが濃く、煎餅の主役は醤油ではなく米なのだと再認識。生地が自家製なのは米の味にこだわりがあるからなのでしょう。「歯応え」という食感と「醤油の風味」に加えて「米の味」が楽しめる。なるほどこれがトラディショナルな草加煎餅かと納得です。
石がさね と 山出し煎茶
ちなみに、この煎餅に用意したのは「山出し煎茶」。しっかりした「火入れ香」とこっくりした味は煎餅との相性が抜群。草加煎餅と狭山茶、埼玉県東西を代表する特産品の競演です。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎