5月度.png五月中旬、例年ならば新茶の最盛期を迎える頃。今期は冬から続く低温と少雨のためか、なかなか摘採のペースがshinme8.jpg上がりません。はさみ台茶園はまだ黄色い畝が多く、野木園にもこれからが摘採の好期という新芽も見受けられます。雑木林の木洩れ日を浴びた若く 柔らかい芽の輝きはまるで蛍光色! この時期、早朝の茶園は生き生きとした色彩にあふれ、まぶしいほどです。

今週初めには手摘み荒茶が全茶工場出揃い、手摘みが一段落というところで二日連続の雨となりました。もちろん手摘みを終了した茶工場もあれば、まだ半ばという生産家も。茶産地ではよく「雨前・雨後」という表現を使います。降雨を挟み茶の品質が大きく変わる、摘み取りのターニングポイントとなる雨のこと。新茶期を通じ数度経験しますが、今回のは手摘みを前・後期に分ける雨かもしれません。

備前屋の最上級茶を支える野木園の手摘み茶達。その中でも『富貴昔』や『松籟』の原材料には、トップレベルの手摘み荒茶だけが該当します。その条件として、摘採される新芽の「若さ」も大切な要素です。これ以上の資質を持った荒茶の製造は来年まで待たねばなりません。

一口に野木園手摘み茶といっても千差万別。生産家が違えば荒茶の表情も、個性もそれぞれ。いずれも太く長く大柄なルックス。濃厚な滋味を内に秘め、鮮やかな萎凋香をまとった今年度のエース達です。

 ①5月9日 市川喜代治製やぶきた        ②tetumikaneki.jpg5月8日 間野善雄製やぶきたtetumimarushi.jpg 
        





   ③5月4日 宮岡豊製ふくみどり           ④5月9日 島tetumimiyaoka.jpg田貴庸製やぶきた
tetumimishimada.jpg






備前屋自園もあと数日間手摘みの予定。週末から来週にかけて天気は良好、気温も上々。天日萎凋の日和が続きそうです。

                  狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎