十月、いよいよ秋めいてきました。巾着田の曼珠沙華は今、最盛期を迎えています。
月初、お茶の祭典 “ World Tea East 2012 ” がフェラデルフィアで開催され、出席してきました。20年振りのアメリカ。始めての東海岸。独立宣言で有名な合衆国の古都は生憎の雨模様。そのためか、残暑の武蔵野よりずっと冷しく感じられました。街のそこここに18世紀から19世紀にかけて建築された 教会をはじめとする建造物が残り、古びた街並みがアメリカ合衆国の歴史そのものを伝えています。3泊5日
極めてタイトなスケジュールの中、なんとか The Liberty Bell だけは見学することができました。雨の平日にもかかわらず、見学者が大勢。合衆国独立の象徴だけあって、さすがに人気スポットでした。
“ World Tea East ” は毎年開催され、昨年は55の出展者と800人を集めた茶の一大イベント。参加者は茶の販売に携わる、あるいは関心のある業者やお茶に興味のある人々。“ Tea Championship ” というポイント製の品評会 (?) があり、著名茶の部門では セイロン、ダージリン、龍井、抹茶、煎茶 etc. 普通部門では 蒸し製緑茶、釜炒り製緑茶、白茶、プアール茶、ハーブティーブレンド、フレーバーティー各種などなど。実に多岐にわたる分野で行われていました。
イベントの中心は茶に関する各種ワークショップ。全て有料。実質二日間の滞在だったので、2つのコースに参加してきました。印象的だったのが、スリランカ、ネパール、日本、インド、ケニヤ、中国、台湾 7カ国で製造された、異なる種類の茶の鑑賞ツアー。日本茶で取り上げられたのは、煎茶、玉露、玄米茶、抹茶の4品目。説明者は「あいや」の現地法人の社員。興味深かったのはケニヤ。高品質の紅茶と白毫銀針ばりの白茶 (?) - 紅茶なのか白茶なのか? 驚かされたのは “ Brandy Oolong ” と名付けられた台湾製の青茶。もちろん “ Champagne Oolong ” に呼応した名称だと思われますが、茶葉に鼻を近づけただけで声を挙げてしまうほどに あでやかな香気。外観は武威岩茶のように色濃く、水色は東方美人より濃度があり、澄んだ味と鮮やかな萎凋香はどんなお茶にも勝るのでは・・・! 全ての撮影と録音が禁止されていたので、何の記録も持ち帰れず残念。
今回参加した理由の一つは、今年つくった釜炒り茶が
“ Unusual Japanese Tea ” というワークショップで取り上げてもらえる事となったから。“ Lightly Withered Green Tea , Sayama Pouchong Fukumidori ” と紹介されました。坂田完三先生のご好意の賜物です。
レセプションでは、健康飲料としてのGreen Tea 礼賛の声が聴かれ、噂に聞くアメリカでの緑茶人気を実感しました。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎