11月度.pngスリランカには世界遺産が8つあるという。中でも有名なのが『シーギリヤ』。遠方から望む巨大な岩は、こぶしを固めたような力強さを感じます。sri lanka3.jpg高さ200mのシーギリヤロック。頂上へは、約1,200段もの階段が続いていまsri lanka4.jpgす。今回のスリランカ行は決して天候に恵まれたとは言えない旅行でしたが、この日は最高の天気。午前中だというのに、額から、あごから、汗がしたたり落ちる。汗と熱気でサングラスが曇る。よくもまあ、こんな上に王宮を築いたものです。さすがに、頂上からの眺めは「絶景」のひと言。360 見渡す限り 熱帯の森が広がり、昔観た 映画の映像が過ぎります。『Star Wards エピソードⅣ、反乱軍基地がある星の風景を見るようで、頭の中でテーマ曲が鳴り響く・・・。ところで、登り始めより1/3ほどの場所に「シーギリヤ・レディ」の壁画がありました。今旅行中、楽しみにしていたものの一つです。sri lanka2.jpgそこは、岩の一部がチューブ状にえぐられており、雨・風の侵食を受けず、奇跡的に鮮やかなフレスコ画が残されたのだそうです。おだやかに微笑む その表情は、実に東洋的。じっくりと眺めていたいけれど、行き止まりの狭い通路と圧倒的な観光客数に遠慮して、撮影だけでその場を離れました。今、改めて写真を観ても、やはり魅力的ですね。

 

 

祁門、ダージリンと共に世界三大紅茶と称されるウバ。srilanka-uva3.jpg標高のある“High Grown Tea”の産地です。スリランカの各茶産地は季節風の影響で、乾燥する時期がクオリティシーズンになります。ウバでは南西の季節風が吹く789月にその季節を迎えるそうです。


最初に訪れたのは、ウバ ハイランズ茶園(Uva Highlands Estate)。ゲートをくぐると、敷地内を学校の教師らしき人に誘導された児童が列を作って移動して行く。ここには保育園も学校もあり、茶園で働く人と家族全員がそのまま生活できる社会ができ上がっていました。見学は萎凋工程から。萎凋槽に広げられた茶葉は厚さ30cm弱。摘み方は一芯四~五葉くらい。かなり大きなサイズのものも目につきます。萎凋槽は淵から30cmほどの位置に化学繊維製のネットが張られており、下から加熱した空気が吹き上げています。水分含有率55%まで萎凋するとの事。醗酵はタイルを貼った萎凋台で行い、担当者が茶葉の色と香気で時間を調整。「マンゴーの熟する前の香り」が終了のサインなのだとか。 

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次の訪問はデモデラ茶園(Demodera Estate)。残念ながら、工場内での撮影は禁止されていました。特に印象に残ったのは仕分け(grading)工程。20種類に及ぶ等級分けを行うのだとか。最後に等級別に、テイスティングを実施。今回のツアー参加者は、ほとんどが茶業に携わっている者ばかりで、試飲も手慣れたもの。紅茶といえども、基本的には緑茶と変わりはなく、スプーン片手に、次々と試飲をこなします。srilanka-uva7.jpgその中で、香気の余韻が特に良好だった“FBOP”を購入しました。昨日、あらためて試飲・・・テイスティング時の印象がよみがえります。水色も、濃度のある紅色が美しい。茶袋をシールしようとして、生姜のようなスパイシーな香気に気づきました。ラベルには“09 SEP.2015”の表示があり、クオリティシーズンに製造された茶のようです。srilanka-uva6.jpg

 

 

ひょっとして、これがウバ特有の「メントール香」なのでしょうか。


           狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎