7月度.png夏祭りの時季到来。先週末、高萩囃子の本番を迎えました。梅雨明けと同時に 耐え難い猛暑が襲来。matsuri3.jpgところが、祭り当日は長袖がほしい位の天候に逆戻り。早朝より雨を気にしながら準備を進めていたところ、午後から急に蒸してきて、逆に一安心。昨年に続き 備前屋の店庭に山車が引き入れられ、居囃子を演じてくれました。今年は保存会に若い子達が大勢参加し、真新しい はっぴに身を包み、フレッシュな高萩囃子を披露。matsuri2.jpg3種類の水出し狭山茶で涼んでもらった後、山車は街を練り歩き、祭り会場にて3時間休みなしで演奏を実施。夏の夜空に快い音色が響き渡りました。さあ、いよいよ夏本番。

 

 

紅茶が入荷。昨年は製造を見合わせたので、2年振りの新作です。つくったのは、もちろんプロフェッサーこと増岡伸一氏。蒸し製緑茶と異なり、醗酵茶は鮮度が重要視されるわけではなく、逆に時間の経過と共に成熟度を増し、内質が向上すると言われています。それでも新茶が届けられるのは茶業者にとってこの上ない喜びに違いありません。

 

品種は前回同様「さやまかおり」。平成24年度産紅茶の「荒茶」の第一印象はいつもと同様の外観に感じられました。褐色の中にも、akane1.jpgちょっぴり緑色のかった黒い本茶部分。鮮やかな橙色に染まった平たい棒。棒皮も同様の色をしています。通常の紅茶とはかなり趣の異なるルックス。昨秋 入間市博物館 ALIT で開催された『地紅茶サミット』で、日本各地で製作された様々な紅茶に触れる機会があったけれど、このような茶は記憶にない。この棒の形状は、製茶機械の特性によるものであり、またその色彩は萎凋ではなく、醗酵の成果だと思われます。

 

 

一方、内質は長足の進歩を遂げていました。紅茶特有の香気の輪郭がはっきりして、“かおり”の鮮度が明らかに増大。緑茶品種製特有の、一部に緑が残ったような青い味がなく、上手に醗酵処理されているように感じます。もちろん緑茶品種ゆえ、渋みはほとんど皆無。香味に奥行きが増し、また水色は黒味がとれ、紅の色が美しい。ありがたいことに プロフェッサー自身、かなりの自信作のようです。
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地紅茶サミットで講演された磯淵猛氏によると「紅茶の味とは渋み」との事。とすると、渋みのない和紅茶の存在意義はどこにあるのか・・・? と考えないでもないけれど、どこにもない茶をつくってくれたプロフェッサーに感謝。「茜」に仕上げるのは熟成が進む秋以降でしょうか。


 

                  狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎