六月上旬 入梅。近所の雑木林からはカッコウの鳴き声が響き、涼しく おだやかな日々。一転、先週は豪雨・雷雨の毎日。例年の一月分をすでに降り切ってしまったとか。隣町からは雹の被害が聞こえるものの、店前を流れる小畦川は川藻が一掃され、きれいな流れを取りもどしました。サッカーのワールドカップ開幕に会わせたかのように、週末からは熱い真夏の日差しが照りつけています。水不足のためか、遅れていたブルーベリーの実が急速に明るんできました。今月中には収穫が始まりそうです。
先月一杯で今期の一番茶が終了。仕入れ業務が一段落したところで、荒茶の評価作業が最盛期を迎えています。備前屋では生産家や仲買から相対で仕入れるやり方と、入荷した上で、後から荒茶単価を決める仕入れ方法を併用。後者については新茶期毎に生産方針や製法・品質について備前屋の要望を受け入れてもらい、生産された荒茶を全量引き取るやり方です。
取引先は狭山各地にあるので、新茶期の気象リスクが分散できる事。それぞれの地域特性に富んだ製品がそろう事。多様な品種が集まる事。生産家毎に得意分野が異なり、製品にバラエティーが期待できる事。メリットは様々なれども、最も優れたところは全取引先の各茶畑の状況、栽培品種、摘採方法から機械設備に至るまで詳らかに把握できている事でしょうか。備前屋定番商品の芯になるべき高品質の荒茶や1,000kgにも及ぶ萎凋香原材料の確保。さらには季節商品用稀物品種の維持。あるいは釜炒り製微醗酵茶用茶葉の供給etc. に機能しています。
だからこそ可能な狭山茶の安定供給。それだけに重要な評価作業。荒茶の個性を知るため、拝見茶碗ではなく、宝品急須を使用。評価が偏らないよう、二人で意見交換しながら、全ての荒茶を二煎目まで試飲。水色・滋味・香気をチェックします。一昨日・昨日の二日間で丁度100点の荒茶の値付けが完了。
一煎分40ml.として二日間で計8リットルを試飲。今期一番お茶を飲んだ日かもしれません。それでもまだ半分か。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎