昨夏同様、猛暑と日照りの毎日。遠雷が聞こえても夕立の気配すらありません。それでも夕暮れにはヒグラシの声が響く頃となりました。今 日高市で一番目立つ花といえば百日紅でしょうか。日高アリーナ前の道路は圧巻の一言。1.5km にわたり、両側の歩道を彩るピンクと真紅の花の列。緩やかなカーブを過ぎると、奥武蔵の山々を背景に連なる百日紅の花また花。見応え充分の景色です。わざわざこの道を通るため、遠回りして帰宅する友人もいるくらい。それにしても、つるっとした幹の印象とは全く異なる派手やかな花。炎天下で見ているといっそう暑さがこみ上げてくるような気がします。
一千年も昔に中国より伝わったとされる茶。それは種子として渡来し 国内に広まったと言われ、その後裔は現在でも在来種として日本各地に存在しています。90% をはるかに突破しているであろう日本茶の品種化率。「やぶきた」をはじめとするバラエティ豊かな日本茶品種も、元をたどれば在来種実生からの選抜がその起源。茶は受粉能力に優れた植物だそうで、一口に在来種といえども時間の経過と共に、産地間でその特性に差が生じているかもしれません。
産地の個性を秘めた在来種。純粋な在来種茶園を維持管理している生産家が一軒あります。現在狭山で荒茶として生産される純在来種はかなりの貴重品? この純在来種の特性を生かす方法がないかと考えていたところ、品種化される以前の狭山茶の仕上について、茶商の先輩から示唆をいただきました。味がきつく、繊維質が多く強そうな茶葉の在来種は「ガラ」を使用し、荒茶のまま長時間火入れを行う。そのまま熟成させ、秋以降に仕上げると良いそうで、「茶葉は粉をふいたように白ずれするけれども、実に旨い」との事。
左:荒茶 右:火入れ後 ⇒
早速やってみました。摂氏40度の再製工場にて、炭火で4時間 (!) の火入れ。茶の表面は擦られ白くなり、毛羽立った白い棒も滑らかに。火入れだけでこんなに変わるんだ・・・外観をみる限り、この方法は大正解かもしれません。
内質がどうなるのか ・・・ 時間の流れを見守りたいと思います。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎