6月度.png例年になく早い梅雨入りの今年。気温はさほどではないにしても、湿度の高い日が続いています。再製では茶が傷まないよう、気づかいな季節です。近所の中学校では夏の日差しよけに「緑のカーテン」に挑戦しており、昨年は見事に3階建ての校舎南面を覆うことに成功。備前屋本店では数年前に朝顔でチャレンジたものの、屋根までは届かずカーテンには役不足でした。店先を飾る夏の風情としては最高でしたが・・・。本店は店green c..jpg舗の入口が西向きのため、夏は西日が長時間差し込みます。今夏の電力不足にそなえ再挑戦。今回の主役はゴーヤー。どうなることやら。いずれにしろ「よしず」よりは涼しげでしょう。

昨年“プロフェッサー”こと増岡伸一氏が春芽の手摘み茶でつくった紅茶
の芳香が忘れられず、ファーストフラッシュの製造に挑戦しています。昨年備前屋が扱った品種は在来種を含め13種類。生産家の協力を得ながら、色々な品種に萎凋を施し、醗酵度合いを変えながらのチャレンジです。

紅茶の不思議さは、それぞれの工程で香気がガラリと変化するところ。馥郁たる萎凋香が揉捻工程では青臭になり、醗酵中は甘い香気が立ち上る。その後も殺青⇒乾燥とそれぞれの工程で香気が七変化。日本茶を生業とする者にとって、特に『醗酵』工程はブラックボックスに感じます。気温・時間・品種によって結果が様々。夏芽前に全品試飲を行い、データを整理しておきたいと考えています。製茶前の萎凋香が製品にどう反映されるのかが一番の関心事です。

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それにしても、不醗酵の日本茶とは全く異なる香りの世界。様々な香気に翻弄されながらも、身体まで染まってしまいそうな芳香に包まれるのは快感です。

                   狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎