夏祭りの季節、今年も夜空にお囃子が鳴り響きます。八雲神社の天王様、日光脇往還 高萩宿の祭りとして賑わったのも、往時の話し。昭和40年代、交通事情からやむなく取りやめになった山車の運行。絶えてしまった お囃子の音色。囃子保存会が立ち上がり、4年前より山車の運行も再開。今年は県道川越日高線に加え、念願だった旧国道407号線での引き回しが復活し、また一歩往時の姿に近づきました。当日は真夏の好天と、最高の人出に恵まれ、おかめ・ひょっとこ・外道・狐・獅子の舞に合わせ、高萩囃子が流れます。最近は演奏者に小学生や女性の加入者が多く、山車の上も華やかな雰囲気です。
こちらも夏の風物詩、『茜(あかね)』の原材料である今年度産紅茶の荒茶が入荷しました。昨今 日本茶業界の流れに「和紅茶」「地紅茶」のブーム(?) があります。備前屋でも『茜』の販売は順調そのもの。もちろんその理由の一つには、増岡伸一氏の製茶技術があるのは間違いありません。
最初に狭山産紅茶の製造を依頼してから、早くも15年以上が経過。当時は製品の動きが鈍かったものの、毎年のように試行錯誤を重ね、製茶機械の利用法や製造技術の確立に努めていただきました。昨年、二年振りに生産してもらったものは 晩秋より使用を開始。最後の一箱もすでに仕上げが完了しており、新茶待ちの状態です。
今回も『さやまかおり』を品種に選び、夏芽の終盤に製造してもらいました。幸い 七月の関東地方は天候にも恵まれ、製茶日和続き。今年度の生産量は昨年の二倍を依頼していたところ、今月中に無事納品となりました。
平成25年度新茶の外観は大柄で、色が浅目。茶葉は黒というより、褐色の印象。昨年のものに比べ、醗酵具合いが若いのかもしれません。でも水色は美しい。紅色が濃すぎず、端正な色合いです。香気にも、味にも 荒々しさを感じるけれども、熟成が加えられたら どうなるでしょうか。期待を寄せたくなる香味です。
寒くなるまで、前年度産で賄えれば良いのだけれど。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎