先週の雨で秋らしくなったと思ったら、週末にはいきなりの残暑。粘り腰の今年の夏。でもまたまた降ってくれました、今週は2日連続で。前回のお湿りがすっかり失せ、再び乾燥を始めた武蔵野の大地。潤いをとりもどしただけでなく気温もぐっと下がり、ついに庭の萩が咲き始めました。
萩の開花がこんなに待ち遠しかったのは初めてのこと。秋の七草と呼ばれてもしょせんは野草。いつの間にか花が咲き、秋を告げるのが当たり前だと思っていました。今年は4月の冷え込みと多雨で待ち遠しい新茶シーズンだったけど、秋の到来にもこんなに気を病むとは。
やっと進物用掛紙に季節が追いついてくれました。
丸くて密集気味の葉に取り巻かれ、見落としてしまいそうにひっそりと咲いています。花弁は閉じているので咲くというのは当っていないのかな?「花をつけた」と表現すべきでしょうか。他の枝にも花を探してみるものの、ここ以外には見つからず、まさしく本当の第1号。萩に残った雨粒が朝日に輝き、花の“誕生”を祝っているかのよう。花の色は赤紫色というよりもっと青が濃い、端正な「紫色」です。
9月15日早朝 まるで隠れるように咲いていました
萩の花は涼しくなるとともに少しづつ色を変えるのでしょうか。季節がうつろうのに従い、熟成を重ねて狭山茶が味を深めるように。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎