日高市高麗郷 巾着田の曼珠沙華は最近知名度が上がってきました。マスコミの威力と言うべきでしょうか。県内でも有数の清流、高麗川沿いの雑木林に花を咲かせる曼珠沙華の群生は確かに見応えのある景色です。涼しげな木陰一面に広がる赤。陽の高さとともに移ろう木陰と曼珠沙華の色合。それが川沿い数百メートルにわたって続くさまは、景観と呼ぶにふさわしい風情です。
高麗川の清流と新装なったドレミファ橋
その曼珠沙華の開花が遅れています。彼岸花とも呼ばれ、中秋の訪れを告げる花。今夏の酷暑と少雨を考えれば当然なれど、先日の雨が開花を後押ししてくれました。今日訪れてみたら花はまだほとんど無いものの、開花の準備は着実に進んでいる様子が見て取れました。
曼珠沙華という花、個人的にはあまり好みではありません。色が鮮やか過ぎるというか、抑揚が無いというか、自己主張が強すぎるような気がして・・・。 今まで何度となく巾着田に行っても、関心を持つことすら皆無。ところが今日、まだ数少ない ふくらみつつある蕾を見たところ考えが改まりました。
薄紅とアイボリーのストライプがあまりに鮮やかで、すっかり魅了されてしまいました。よく観察してみると特徴的な“ひげ”を内側に包み込んでいます。それが今まさに蕾という「殻」を破り、飛び出ようとしている個体があります。植物の力強い生命力と若さゆえの美しさを感じます。
9月18日撮影 曼珠沙華の蕾(と呼んで良いものかどうか? )
茶の新芽も緑に色を返すまでの間、その浅黄色の若芽に新たな息吹を感じ、生命力にあふれた美しさと共に めぐり来た季節を認識します。私達はそれを“旬”と表現しているのかもしれません。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎