7月度のコピー.png毎年巡り来る新茶。当然その年々の作柄があります。全体的な良し悪しがあったり、部分的に優れたものがあったりと年々で様々なれど、私の作柄判断の目安の一つが「白萩」の出来栄えです。

100g 1,260円と普段使いには少々値が張る煎茶で、年間扱い量は1,050円売りの「
咲玉」に比べ 1/4 ほどに過ぎません。しかしながら、この200円の差額と扱い量の差が荒茶を吟味するのに「ゆとり」をもたらします。つまり原材料をきっちりと選んで、じっくりと再製できるということ。また生産時期も早く高品質の上、萎凋香を追求する茶ではないので、判断基準とするには最適なのです。

「出物」がほとんど無い美しい外観の荒茶、新茶らしく清らかな香り、雑みの無い澄んだ味。芽が若いので火がスッと入り、穏やかな「火入れ香」の奥には荒茶の瑞々しい香りと澄んだ味がただよう・・・。
狭山茶の美点を実に上手に表現してくれる煎茶、と言ったら大げさでしょうか? 白萩2.jpg

狭山茶として、嗜好品として、「白萩」は好ましく、大切な煎茶です。

                              狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎