梅雨明けと同時にいきなり35度を越え、夏到来。例年以上に湿度たっぷりの梅雨空に比べ、青空と白い雲が気持ち良いとは言え、やはり今年も猛暑です。
『暑いときこそ熱いお茶 五臓六腑が生き返る!』とは店のポスター。ごもっとも、夏期は冷たいものと熱い飲み物をバランス良く摂取したいものです。
夏向けの熱い狭山茶『荒茶』を再製しました。『荒茶』という商品ながら、もちろん再製を施しており、仕上げで味の落ちる「出物」を取り除き、極低温ながら火入れで香味を整えてあります。前回が6月中旬の再製だったので、ほぼ一ヶ月振りの更新。原材料は島田貴庸製5月14日やぶきた、5月18日・21日ふくみどり、5月19日間野義雄製ふくみどり、5月19日駒井孝志製「彩香(さいか)」の3品種、5種類です。
寒いときには恋しい「火入れ香」も暑い時季にはくどくて、暑苦しく感じられる場合も。それならば萎凋香と品種の香りで熱い茶を楽しもう、というのがこの『荒茶』の趣旨。香りということであれば、原材料は必然的にふくみどりが中心に。それに加えて今回は「彩香」が初登場。これは静岡の未登録品種を栽培したもので、品種香がすばらしく鮮やかで、『荒茶』にもってこいの品種だと思います。品種の特性を味わえるのも熱い茶なればこそ。
『荒茶』一煎目の茶殻 中央の赤黒くなっているのは萎凋葉
中央右寄り 灰褐色の細長い茶葉はふくみどりの萎凋棒
それにしても品種の個性とはたいしたもの。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎