台風の当たり年なのでしょうか。先週末に引き続き、またまた台風接近の予報が出ています。巾着田『曼珠沙華まつり』期間中はずっと好天に恵まれたので、あまり文句も言えないけれど・・・。
10月8日は久し振りに好条件の皆既月食。皆既の時間帯が午後7 時過ぎ頃のため、月の高度が低いのが難点。自宅では再製工場の陰になるので、高麗のブルーベリー畑に遠征です。問題は天候、予報は曇天。夜空は7 割方が雲に覆われ、食の開始時刻になっても月は隠れたまま。ところが、皆既が始まる頃には雲が切れ始め、やがて晴天に。3年振りに赤い月と対面。前回に比べ皆既中の月が暗く感じます。月の高度が低いため? 水蒸気の多い天候のせい? それとも御嶽山の噴火の影響? 暑さ・寒さにも虫にも台風にもじゃまされず、快適な月食観望でした。
撮影:平成26年10月8日 20:11
茶業界で秋といえば品評会の季節。今年も『関東ブロック茶の共進会』が狭山で開催され、埼玉県茶業青年団主催F.G.T.C.- Sayama と同時に入札会が実施されました。『関ブロ』では普通煎茶 荒茶部門で2点、仕上茶部門で3点の合計5点を、F.G.T.C.では3点を落札しました。落札件数もまずまずながら、今年も入賞茶を手にすることができました。落札したのは銅賞入賞の荒茶で、出品者は入間市上藤沢の清水知弥氏。品評会ではここのところ、ずっと縁のある清水裕司氏のご息子名での出品財でした。
茶箱の封印を切り、帯のテープを静かにはがす。蓋をはずし、大海に はさみを入れる。出品茶を試飲するまでもが、まるでセレモニーのよう。第一印象は「小振り」な外観。もともと深蒸し系が好みではないので、出品茶も大柄で太目の容姿に引かれるようです。今年度、出品茶製造時期の天候は良好だったので、この外観は出品者の好みなのでしょうか。それでも茶葉の光沢はさすが。品評会入賞茶ならではの形状です。
お気に入りの宝品を用意して、早速試飲。ていねいに湯冷ましをかけ、ゆっくりと抽出。拝見茶碗に注ぎ、水色を確認。濁りの全くない液体。黄金色というより、若干緑色がつよいでしょうか。「おどみ」や「おり」から完全に開放された純粋な「抽出液」。これぞ正統派の煎茶!! と喝采したくなる、麗しい液体。
口に含めば、圧倒的なアミノ酸の波が押し寄せ、鼻に抜ける芳香は新鮮香でしょうか。
「緑茶」という名のもとに、抽出液の色と濃度に主眼を置きすぎている現在の日本茶。私達は 蒸し度や揉みを追及するあまり、煎茶本来の個性を置き去りにしてきたのではないだろうか・・・ ? そんなことを思い起こさせる品評会入賞茶。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎