「暑さ寒さも彼岸まで」言葉通りの今日この頃。穏やかで暖かな日が続いています。越生の梅まつりはこの連休で予定通り終了。でも店庭の枝垂れ梅は今、見ごろを迎えています。他に比べて開花が遅い品種のようで、春の陽射しを浴びて一気にほころんできました。梅にしては淡いピンク色。やさしい色合いの花びらが、枝ごとに規則正しく並んでいる姿は中々のもの。できるものなら、桜が華やかになる時季まで、楽しませてほしいものです。
今月はイベント続き。三月上旬、FOODEX JAPAN 2015 に出展。『世界緑茶コンテスト2014』で最高金賞を受賞したご褒美(?) です。同業者から招待状をもらい、入場者として体験したのが一昨年。初めての幕張メッセはとにかく広く、やたらに活気にあふれた催しであった記憶があります。経費にしても、効果にしても、日本茶の一産地問屋が参加するには、敷居もハードルも高すぎるイベントに思われました。それが、公益財団法人 世界緑茶協会のブースで、コンテスト受賞者として出展できるのは、最高の副賞かもしれません。
今イベントの来場者数は4日間で7万7千人なのだとか。備前屋は会期の後半2日間に出展。約100名の方と名刺交換を行い、計26リットルの『琥白』を提供。延べ500人以上の方に試飲してもらったことになります。対象は商社、飲料メーカー、輸出入業者、レストラン・喫茶関係者etc. もちろん茶業関係者も多く、熱心な日本茶インストラクターの方々にもお立ち寄りいただきました。これも世界緑茶協会ブース内に出展できたお陰。予想を上回る多くの方々に試飲をいただき、大いに『琥白』のPRが実施できました。すばらしい舞台をご用意いただいた世界緑茶協会スタッフ皆さんに感謝です。
続いては、初めての試み『日本茶カフェ』。備前屋再製工場にて、個性的な狭山茶5種類をワンコインでお楽しみいただく企画。『日本茶AWARD 2014「Tokyo Tea Party」』を参考に、火入れ香煎茶『咲玉』、萎凋香煎茶『清水昔』、品評会入賞茶、微醗酵茶『琥白』、抹茶『翡翠』を製作者の思い入れを交えながら、製法や内質の特長を説明。それぞれに相応しい「お茶うけ」と共に、各二煎目まで召上っていただきます。終了後、希望者には工場内を案内し、再製工程や機械を説明。イベント当日、好都合にも、工場内で狭山市手揉み茶保存会の有志が練習を実施。思いがけずに手揉み茶の実演もお楽しみいただくことができました。
告知の時間が少なかったにもかかわらず、昼食をとる間もないほどの反響。その中で、ある男性の言葉が心に残りました。その方は終始静かで、こちらが提供する話題にも無関心な装い。気分がすぐれないのかと思っていたところ、席をたつとき、しみじみと「普段仕事でストレスがたまっていたけれど、久し振りにリラックスして、また仕事に頑張ろうという気持がわいてきました。」と感謝の言葉をいただきました。
コーヒーブレイクとティータイム。一息入れるために飲むコーヒーに対して、お茶は時間をかけて楽しむもの。お茶の持つ、機能性以外の大きな魅力を再発見しました。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎