四月末日より始まった平成27年度の手摘み。昨日まで9日間続きました。昨年同様、降雨のない新茶期を迎えています。おかげで、進捗状況は順調そのもの。すでに140kg の手摘み荒茶を製造。今朝は完全な曇り空。しかも予報が芳しくないので、今日は一休み。摘み娘さん達も久し振りの休日を楽しんでいることでしょう。取引先 各茶工場でも、はさみ摘みが始まり、生産数量が増えてきました。それにしても、ほぼ一ヶ月間お湿りなし。新植茶園のこともあり、気がかりではあります。
先月下旬より、ずっと夏日・真夏日の連続。日なたでは、紫外線の強さを感じます。備前屋の店舗・事務所と工場の間は絶好の萎凋場。地面はコンクリートで水はけが良好なうえ、東西方向へ風が通り抜けます。工場のひさしによる 完全な日陰があり、さらに遮光ネットにより、半日陰を演出。天日干しによる純粋な日光萎凋から、完全な陰干しまで、きめ細かく対応できる環境です。その日の天候や太陽高度に応じて、萎凋工程が調整できるように工夫しています。順調な摘採の進行に伴い、この萎凋香の舞台は連日大活躍。日に日に増える生葉の量をものともせず、萎凋工程を経た、香気豊かな茶葉を送り出しています。
今期の手摘茶は品質良好。一月から四月中旬にかけての潤沢な降水量に支えられ、春彼岸過ぎの冷え込みにも、四月八日の雪にも耐えた茶葉。強風による葉ずれもなく、順調な生育でした。摘採期直前、真夏日が続き、軸の成長が急ピッチに進行。節間が長いためか、尺があり、伸びやかな容姿で、私好みの外観を示しています。成長が素直だったためか、味も水色も悪くない。もちろん、肝心かなめの萎凋香も絶好調。萎凋場整備の効果が表れているのは間違いないようです。
今期の製茶テーマは「蒸し度の見直し」。それは野木園の手摘み茶も例外ではなく、内質にもその影響が及んでいることは間違いない。今年の一番茶はどう変わっていくのか … 楽しみと、少しの不安と、そして大いなる期待を持ちながら、平成27年度の新茶期序盤を過ごしています。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎